家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
そのままあごから首に指を這わされ、ゾクゾクとした感覚が背筋を駆けていく。

「この身体にたっぷりと、お仕置きして差し上げますよ」

襟もとに指を引っかけて服を伸ばし、限界がきてプッと離れる。
余裕たっぷりに松岡くんが右頬だけを歪めて笑い、……私はその場へへなへなと座り込んでいた。


今日のケーキは林檎を混ぜ込んだ濃厚チョコレートケーキだった。

「もうすぐクリスマスだね」

カレンダーは十二月に突入した。

昨日歩いた街はどこもかしこもクリスマスムード……というか気の早い店はもう鏡餅なんて売っていて、年末進行が恐ろしくなってくる。

「そうですね」

確認してみたら二十四日が金曜日で、松岡くんが来る日になっていた。
いや、別になにか期待しているわけじゃないとも。

「なにか料理のリクエストなどございますか」
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