家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
ローストビーフはしっとりジューシーで添えられているソースがまた、いい。

これがグラム198円の二割引だった、オージービーフだとは思えなかった。

「こっちも最高!」

ラザニアもミートソースとホワイトソースの割合が絶妙で、さらにパスタがもちもちぷりぷりだ。

「ねえ。
ラザニアのパスタなんて買ってないよね?」

「簡単にできるから、手作りした」

くいっと上げた眼鏡が得意げに光って、くすりと笑いが漏れる。

「ほんと、松岡くんってなんでもできるんだね。
いいお婿さんになるよ」

「例えば、……紅夏の?」

じっと眼鏡の奥から見つめられ、フォークに刺したローストビーフがぽろりと落ちた。

「い、……一般論、だよ」
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