家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
金曜日は松岡くんがやってくる。
このところはこの時間が一番、安心できた。

今日もお茶して仕事部屋にこもる。

「郵便が届いております」

その瞬間、ぴたっとキーを叩いていた手が止まった。

「……あれ、は」

「その……」

おずおずと差し出された封筒は、いつものものにしては大きく厚みがあった。

「違うんじゃない?」

「けれど差出人は無記名ですし、宛名シールもいつものものかと」

確かに、貼られているシールはMS明朝で打ち出された、いつものシールだ。

「……開けてみるね」

こわごわ封筒を開けて中身を出す。
中から出てきたのは私の本だった。
< 309 / 603 >

この作品をシェア

pagetop