家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
「そうですね……」

掃除は完璧だった。
絶対に一日で終わらないと思っていたのだ。
なのに全部片付いた。

料理はお願いしてでも毎日食べたいレベルだし。

さらにはお茶まで淹れてくれる、きめ細やかなサービス。

本来ならお願いしたいところだが、さっきみたいに至近距離に男性の顔がある、とかいうのは私が耐えられないのでお断りしたい。

「その執事服はやめてもらえるんですか」

「それは承りかねます」

それで契約がもらえないかもしれないのに、即答ですか。
そんなにこだわりですか。
こっちとしては断る口実ができて都合がいいですが。

「なら、ダメですね。
そんなふざけた格好をしている方に、家を任せるわけにはいきません」

「なぜですか。
業務には一切、支障をきたしておりません。
……それに」
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