家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
なので私も、内緒話をするかのように声をひそめた。

「僕、見たんですよ。
彼が猫を捕まえているところ」

「はいっ?」

「しっ!」

思わず、変な声が出る。
立川さんは慌てて、私の唇に人差し指を当てた。

「僕、猫のたまり場巡りが趣味なんですけど。
見たんですよ、彼が猫を捕まえているところ」

いや、全く同じことを松岡くんからも聞いたんだけど。
それって流行っているんですか?

台所にいる松岡くんに聞こえないように、立川さんはこそこそと話した。

「雑に猫を袋に詰め込んで、止める間もなく自転車で走り去ってしまいました。
間違いなく、彼です」

いやいや、そこも車が自転車に変わっただけで全く同じなんですが?
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