家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
「だから前回、彼に気をつけるように警告したんです。
一連の嫌がらせ犯、猫の死体を送ってきたりしますからね。
大藤先生のところだって猫の血塗れの本が」

だから。
なんでみんな、猫を袋詰めにして連れ去っただけで、その人間が嫌がらせ犯だと確定する?
確かに……疑わしくはあるけど。

「いらないお世話かもしれませんが、できれば距離、取った方がいいですよ」

「はぁ……」

立川さんは大仰に頷いて顔を離した。
私にしてみればいくら立川さんでも、信じろって方が無理だけど。

「また様子を見に来ます。
執筆、無理しない程度に頑張ってください」

「はい、こちらこそありがとうございました」

立川さんが帰っていき、茶の間に戻ると松岡くんがお茶の片付けをしていた。

「お代わり、欲しいな」
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