家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
「こそこそ話していただろ」

流しに向かっていたから知らないだろうと思っていたけど、気づいていたんですね。

「……松岡くんと全く一緒のこと言われた。
松岡くんが猫を捕まえているところを見た、って」

はぁーっ、彼の口から落ちるため息は、あきれているのか、なんなのか。

「それはあいつだ。
自分がやっていることをすっかり俺のせいにしただけ。
だから同じ内容になる」

「それはそうだけど……」

でも私には、どっちが正しいかなんてジャッジできない。

「俺とあいつ、どっちが言ったことを信じるんだ?」

まるで私の心の奥底まで見通すかのように、松岡くんがじっと見つめる。

「ま、松岡くんだよ」

答えながらもつい、目を逸らしてしまった。
またはぁーっと、彼がため息をつく。
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