家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
缶の方は一個98円だったけど、パックの方は128円とちょっとお高い。
中身なんてきっと同じだし、缶の方がよくないかな?

「前にトマトの酸で缶に塗ってある有害な保護剤が溶け出してるって聞いたことがあるから。
っていっても身体に影響がないほど微量なんだけどな。
でもパックの方がゴミ捨ても楽だし、そんな理由」

「へー」

そんなことまで考えて選んでいたんだ。
さすが、プロ執事?

……いや、松岡くんは家政夫であって執事じゃないけど。

お会計のとき、松岡くんが出した財布は私がプレゼントしたものだった。

「使ってくれてるんだ」

「当たり前だろ」

くいっ、松岡くんが眼鏡を上げる。
なんかちょっと、得意げでおかしくなった。

猫柄のエコバッグに物を詰めて店を出る。
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