家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
ぎゅっと松岡くんに抱きしめられた。
おかげで少し、落ち着けた。

「こんな話するの、あれだけど。
これ、ミイラ化っていうか、もう血も出ないほど乾燥してる」

「それってどういう……?」

「昨日今日、殺した奴じゃないってこと。
たぶん、かなり前」

松岡くんは殺したって断言しているけど、手だけ切り落とした……なんてことはないか。

「意味、わかんないよ」

「だよな。
俺もわかんねぇ」

それは、そうだよね。
こんなことをしている人間の気持ちなんて、わからない。

――わかりたくも、ない。

今日、同封されていた手紙には【お前も同じ目に遭わせてやる】って、いつものMS明朝で書いてあった。
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