家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
くくくっ、祐護さんはまた、愉しそうに笑った。

「なんで?
って顔してるね。
まあそうだよね、わけがわかんないよね。
じゃあ、教えてあげる。
――君を、ベストセラー作家にしてあげるためだよ」

なにを言っているのか理解できない。

ベストセラー作家にするため?
そのためになんで、こんなことが必要なの?

「あの小説。
絶対入賞するよ。
だって、この僕が推して通すからね。
でも、賞を獲っただけじゃダメだ。
じゃあ、――どうするか」

ぐいっ、祐護さんは私へ、顔を近づける。

「作家が書き上げた直後、非業の死を遂げればいい」

大仰に頷き、彼は私から顔を離した。

彼がなにを言っているのかさっぱり理解できないが、ひとつだけわかったことがある。
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