家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
おかげで少しだけ、身近になった。
といっても警戒を一段階、解いてもいいかなってくらいだけど。

「とにかく、ここでもう、猫に餌をやっちゃダメ。
見つけたのが私だったからよかったけど最悪、不法侵入で訴えられても文句言えないんだからね」

「……でも」

「でももへったくれもない!」

びくんと、松岡さんの背中が大きく揺れる。
うるうると腕に抱く子猫と同じ顔で見つめられるとこっちが悪いことをしている気になってくるが、私は間違っていないはずだ。

「……あの」

「なに?」

まだ言い訳があるんだろうか。
不機嫌に睨みつけたら、また松岡さんの背中がびくんと大きく揺れた。

「……その。
……猫を飼って……もらえないでしょうか」

「はぁっ?」
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