片想い ~ハツコイの雨~
私は星宮莉凪(ほしみや りな)。高二。

私には二人の幼なじみがいる。

隣の家に住む長嶺詩月(ながみね しづき)と、向かいの家の辻井陸斗(つじい りくと)。

詩月は昔からテニスを習っていて、日焼けした肌がよく似合う元気な女の子。陸斗はすごく頭がよくて三人で勉強会をしたりしている。

ぱっちり二重で整った顔立ちをした陸斗は女の子から人気がある。

私たちのお母さんは、私のお父さんとお母さんがここに引っ越してきた時からずっと仲がよくて、喧嘩もしたことがないらしい。

私たちが生まれる前から家族ぐるみで仲良くしていて、詩月と陸斗は私にとって家族みたいな存在だ。

二人はなんでも話してくれたし、私もどんな秘密でも話せた。

──あるひとつの気持ちを除いては。

私は、物心ついた時からずっと陸斗が好き。

私たちのお母さんは「幼なじみから恋人へ」という憧れを持っているみたいだけど、それが現実になればいいなと思ったりもする。

でも陸斗には好きな女の子がいるんだ。

小学校から同じの楠木希実(くすのき のぞみ)ちゃん。

希実ちゃんはボブカットがよく似合うくりっとした目をしている。

手足が長くて色白な希実ちゃんは、身長が低くてもとてもスタイルがいい。
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