クラス一のリア充の家は、賑やかなシェアハウス
「お〜い!かける〜!」

かけるは、後ろから友達に肩を叩かれた。かけると同じように、青春とは無縁の人物。その友達も、かけると同じゲームが好きだ。

「あれ?それ、「愛媛ちゃん」じゃん!二十名様に当たるっていうハンカチ、当たったのかよ!」

友達は、かけるの持っているハンカチを指差す。

「うん。当たったんだ」

「クッソ〜!俺も応募したのに〜!!」

友達は落ち込んだ表情になった。

現実世界でモテない非リア充の男子たちの間で、最近とても流行っているゲームが存在する。そのゲームの名前は、「美少女都道府県」。青森、鹿児島など都道府県が擬人化し、デートをしたり一緒に勉強したりする恋愛シュミレーションゲームだ。

ストーリーとしては、美少女都道府県しかいないクラスに、主人公が転校してくるところから始まる。そこで都道府県と交流をして、お気に入りの子と恋愛をするのだ。

「学校行ったら、早速続きしよう!」

かけるは友達に笑いかける。

前方にいるリア充は正直羨ましくてたまらない。しかし、画面の向こうにいる女の子たちがかわいすぎるのも事実なのだ。

早くゲームをしようと、かけると友達はリア充を抜かした。
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