お隣さんは私の王子さま
席が隣だけならいいけど、家まで隣なんだよ!?
気まずくなるじゃん。



『絶対にありえないから!
早く描かないと授業終わっちゃうよ、もう。』



赤くなった顔を隠すように、描きかけのキャンパスに手を加えていく。
そんな私を見て、杏ちゃんは諦めたのか何も言わずに筆をとった。



下書きを終えて2人で絵の具の準備をしていると足元にボールが転がってきた。



「悪い、こっち蹴って。」



ボールを追いかけてやってきたのは、先ほど話題になった宮崎君。



「あ、ちょうどいいところに宮崎君。
愛桜が話したいことあるって。
また、ショートが終わった30分後に教室にきてもらえない?」



『ちょっと!何勝手に・・・』



告白はしない。
そう決めてるのに。



「また?まぁいいけど。」



「うん、じゃあよろしく。
ほら、愛桜。ボール。」



2人で勝手に約束を取り付けて・・・
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