お隣さんは私の王子さま

終わった。



『そうだよね、ごめんね。
馬鹿なこと言って。』



早くこの場から去りたくてかばんをとって、宮崎君の横を通り過ぎる。



「何勘違いしてんの？」



『え？』



かばんを持った右手を掴まれて足を止める。



「告白して、返事も聞かずに立ち去るとか失礼すぎない？
しかも勝手に決めつけやがって。」



『だって・・・』



「俺は友達って関係はもう終わりにしようって意味で言ったんだけど。」



『え？』



どういうこと？
友達以下の関係にってこと？？



「あーもう！
俺の彼女になれって言ってんの。」



髪の毛を撫でまわした後に、ムキになったようにそう言った彼の顔は赤かった。



「返事は？」



『ぜひ、彼女にしてください。』