お隣さんは私の王子さま

お隣の王子さま

入学式を終えて初めての教室。
渡辺の私は出席番号の1番最後。



私の隣の人は、この学校では珍しい男子だった。



この高校は、可愛い制服が有名で志望する大半が女子。
加えて、服飾科のある学校だから余計に女子が多い。



私のクラスの男子は40人中10人。
そのうちの一人が、私の隣の席の宮崎晃(ミヤザキ アキラ)くん。



『私、渡辺愛桜(ワタナベ アオ)!
よろしくね、宮崎くん。』



片耳イヤホンを付けて頬杖をつく彼に笑いかけた。



「よろしく。」



少し私を見てから直ぐにそっぽ向いてしまった。



『え?それだけ!?
もっと色々言うことあんじゃん。
自分の名前言うとかさ。』



「なんで、宮崎って知ってる人に名乗んないといけないの。
知ってんじゃん、あんた。
・・・用ないなら話しかけないで。」



ギロりと睨まれて、うっと息を詰まらす。
そんな私を横目に宮崎くんは両耳イヤホンをしてしまった。



何この人、苦手なんだけど。




入学早々、不安要素がこんなに近くに・・・
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