花より男子に憧れたお姫様
「でもそれって、祐希以外にもファンじゃない子っているんでしょ?」

バイト先の飲食店のカウンターから顔を出して、私に聞いた女の子は、私の親友で、中学までは一緒だった、目黒いつき。

「そうなんだけど。私がファンじゃないってバレるのも時間の問題っていうか」

私のその発言に、いつきは目を丸くした。

「祐希が弱気になるなんて、珍しっ!なんかあったの?」

弱気になる理由なんて、ほとんどなかった。

だけど、狩られそうな悪い予感がした。

私の悪い予感は、必ずと言っていいほど、的中する。

だから、不安なだけなんだと自分に思い込ませて、バイトを終えた。

家に帰ると、普通のお父さんとお母さんがいる。

英徳学園に通ってるなんて想像できないくらい、普通の家庭なのだと、いつも帰ってきて思う。

しかし、私の毎日はこれから何日間かで、変わってしまう。
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