海月と海藻
【春】
春、桜の花びらがひらひらと舞い落ちて新たなスタートを告げる。
『あー、行きたくないな。』
新学期。
皆が皆学校に胸躍らせる中、私だけが暗い気持ちのまま布団に包まれていた。
「はー、アンタはいっつもそれね。今日から学校始まるんだからしゃんとしなっさい!」
お母さんは明るい人で、父と離婚してからも大変そうな姿は一切見せない人だ。
私はそんな母が大好きでもあり、少し苦手。
ちまちま食べていたトーストを口に押し込まれ、背中を叩いては爽やかな笑顔で鼓舞してくる。
外は快晴、隣の公園の桜は元気に花を咲かせている。……あー……しんどい。世界明るすぎるわー。
『うわ!酷いよお母さん!あんな眩しい外の世界なんか歩いたら私、焼け焦げて死んじゃうよー!』
「人はそんな簡単に死にません。……はい!お弁当。新しくお友達も出来るかもしれないんだから。……ファイティーン♪」
私の性格にあまりにも似合わないピンク色の包みに包まれたお弁当を、鬱屈な気持ちのままカバンに押し込みドアをくぐる。
「……おせーな。何してたんだよ。」
『ごめん瑞樹。天界に登りたくなくてつい下界で時間潰してたわ。』
「は?なんだそれ。……つかこれ見ろよ。」
ストレートボブを靡かせてため息を吐くと、瑞樹はスマホを見せてくる。そこにはいかにも最近付き合いましたと言いたげなラブラブな会話が広がっていた。
……は、吐きそう。
『うっわ。なにこれ。』
「彼氏出来た。だからお前とはもう学校行けん。すまん。そんじゃ。」
『え。』
そう言うと明らかに先輩から譲り受けたであろう短いスカートをひらひらなびかせながら瑞樹は走って行った。
え待って。じゃあなんのために私の事待ってたの?え?ってかこれ入学初日からぼっち説有り得るよね。
え、え、ちょっと待ってよ。
『そんなの死んじゃうよ!!!!』
春、桜の花びらがひらひらと舞い落ちて新たなスタートを告げる。
『あー、行きたくないな。』
新学期。
皆が皆学校に胸躍らせる中、私だけが暗い気持ちのまま布団に包まれていた。
「はー、アンタはいっつもそれね。今日から学校始まるんだからしゃんとしなっさい!」
お母さんは明るい人で、父と離婚してからも大変そうな姿は一切見せない人だ。
私はそんな母が大好きでもあり、少し苦手。
ちまちま食べていたトーストを口に押し込まれ、背中を叩いては爽やかな笑顔で鼓舞してくる。
外は快晴、隣の公園の桜は元気に花を咲かせている。……あー……しんどい。世界明るすぎるわー。
『うわ!酷いよお母さん!あんな眩しい外の世界なんか歩いたら私、焼け焦げて死んじゃうよー!』
「人はそんな簡単に死にません。……はい!お弁当。新しくお友達も出来るかもしれないんだから。……ファイティーン♪」
私の性格にあまりにも似合わないピンク色の包みに包まれたお弁当を、鬱屈な気持ちのままカバンに押し込みドアをくぐる。
「……おせーな。何してたんだよ。」
『ごめん瑞樹。天界に登りたくなくてつい下界で時間潰してたわ。』
「は?なんだそれ。……つかこれ見ろよ。」
ストレートボブを靡かせてため息を吐くと、瑞樹はスマホを見せてくる。そこにはいかにも最近付き合いましたと言いたげなラブラブな会話が広がっていた。
……は、吐きそう。
『うっわ。なにこれ。』
「彼氏出来た。だからお前とはもう学校行けん。すまん。そんじゃ。」
『え。』
そう言うと明らかに先輩から譲り受けたであろう短いスカートをひらひらなびかせながら瑞樹は走って行った。
え待って。じゃあなんのために私の事待ってたの?え?ってかこれ入学初日からぼっち説有り得るよね。
え、え、ちょっと待ってよ。
『そんなの死んじゃうよ!!!!』