【短】Candy Girl
あたしは密かに拳を握って、苛立ちを隠す。

「あー…はいはい。祐介は清楚系が好きだもんね」

心にも思ってない事だって口を突いて出て来てしまう。

「じゃあ、祐介はそんな女のコの方に行けば?あたしは一人でも大丈夫だし」


そう言って踵を返して彼とは別の進行方向へと体を向けると、ばちん!と目が合う他校の男子。


「あ、麻倉さん!」

「え…っと?」 

名前も知らない男子に名前を呼ばれて驚いて立ち止まる。
すると、すぐ隣にいた祐介がおもむろにあたしの肩を引き寄せた。

「ちょ、祐介?!なんなのよ!もう!」

「いんや?なんでもねーけど…。なんかムカつく」

「はぁ?!」

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