正義が悪に負ける時



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「ねぇねぇお母さん。
どうして僕にはお父さんがいないの?」


「そうねぇ~・・・・・・。

・・・いないんじゃなくて、
ずっとアキラの中にいるんだよ。」


「え~!僕の体にお父さんがいるの?」


「そうよぉ?だからニンジン食べないとお父さんが怒っちゃうぞ~。」


「いやぁ~!食べる食べる!!」


「アハハハ。
うん、良い子だねアキラ。」

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「・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・。」



「新入り。なに泣いてるんだよ。田舎の母ちゃん思い出して泣いてるのか?」

「そのうち慣れるさ。俺なんてコカインだけでこれで3回目だからなウヒャヒャヒャ。」

「おい新入り!
シカトこいてるんじゃねぇよ。」




「・・・・・・・・・・・・・・。」




「ダメだ。
こいつ多分イッちゃってる系だ。」

「うわぁ・・こいつなんだっけ?」

「あれですよ。奥さんとその不倫相手を毒殺した野郎ですよ。」





「・・・・・・違いますよ・・・・。」


「「「あ?」」」





「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・違い・・・・ますよ・・・。

僕は・・・・悪に負けた・・・

ただの・・・どうしようもない・・
大馬鹿野郎ですよ・・。」





       正義が悪に負ける時  終




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