正義が悪に負ける時


“ガチャリ”


「はい・・・・え・・!!?」


「あのすみません。
トイレ貸して頂けませんか?」


「・・・・どちら様ですか・・?」



誰だ・・・?

玄関扉の向こう、
小西が立っていると思ったら・・・・


ヨレヨレのスーツを着て、寝ぐせがピンと立っている見知らぬ男がそこにいた。



「怪しい者ではございません。
あのトイレ・・。」


「・・この先にコンビニがありますのでどうかそちらに。」


「もう漏れそうでマジでヤバいです。

隣の家にも断られたしもう本当にヤバいです。」


「・・・・・・・・・。」



その男はお尻をキュッと上げる仕草を取りながら足踏みを繰り返す。


「・・・・どうぞ。
突き当たりを左になります。」


「ありがとうございます!」


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