正義が悪に負ける時
「・・・・・・今日の所は以上になります。ありがとうございました。」
「・・・いえ・・・あまり・・お力になれずすみません・・・。」
「真田さん、もういいですか?」
最後に、3杯目のお茶を飲み干そうとしていた真田さんを見る。
「ご主人、あと一つだけいいですか?」
「・・はい・・。」
真田さんが湯飲みを置いて梶山を見た。
「出張にはよく行かれるんですか?」
「はい・・。仕事柄、月に何度かあちこちへ行きます。」
「そうですか。じゃあ小西行こうか。」
「え・・はい。」
何が聞きたかったんだ・・?
結局真田さんが質問したのはこの1つだけ。
改めて梶山に挨拶して、家を出た。