正義が悪に負ける時


「心の奥底では、“父からの愛情”に飢えてたのかもしれませんね・・・。」


思わずそう呟いてしまった。


真田さんは、“あんな美人のフユミがなんで滝川なんかと・・”って事を疑問視していたけど、

20以上も歳が離れた男と恋仲に発展した理由が、この家庭環境にあったのかもしれない。



「そういえば、
フユミさんの勤務先で聞いたんですが、

結婚式は親族だけで執り行ったそうですね。それもご主人の意向ですか?」


真田さんがお茶をズルズルと飲みながら、

何の気なしに母親へ訪ねると、
微妙にその表情が変わった。


「いえ・・それについてはアキラさんとフユミで話し合って決めたと聞きました。

アキラさん・・バツイチだったので、

友人や仕事関係の人をまた呼ぶ事にためらっていたようで、

フユミの方から“身内だけで挙げよう”と提案したそうです。」




・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・



「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」



思わず真田さんと顔を見合わせた。


・・・・バツイチ・・・?


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