正義が悪に負ける時


―――――― 


「安浦さんですか?」


「・・・・・・・。」


華やかな都心部を離れ、人口密集度が少し薄れたとあるスーパーマーケット。


その裏口、従業員用の通路口前で煙草休憩をしていた女性が目的の人だった。


「・・・ムコウジマの刑事さんがはるばるこんな所までなんですか?」


少し・・・荒れた雰囲気を醸し出していた。

同年代の女性と比べると、どこか苦労している一面が垣間見える。


「電話させて頂いた島田より話があったかもしれませんが、

元旦那さん、梶山アキラについて2,3伺いたいことがあります。」



「・・・・・・・・失敗だった。」


「え?」


「今思えば、旦那と別れたのが失敗だった。

こんな所でパートする必要も無かったし、

ずっと専業主婦して家で退屈な時間を過ごしてた方がずっと良かった。」


「離婚理由はなんですか?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・。」
「・・・・・。」


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