正義が悪に負ける時
「安浦さん、そもそも何で不倫したんですか?梶山に何か問題が・・?」
「・・・・・それは・・・。」
「あ、言っておくけどその当時みたいに嘘ついても無駄ですよ。
あなたの目の前にいるのは刑事だという事をお忘れ無く。」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・話が違ったから。」
「・・・・?」
「元々、あの人は同じ中学の後輩だった。
私も中学まではムコウジマに住んでたんですよ。」
「それで?」
「当時、ある噂が流れた。
“梶山アキラは母親の生命保険で手に入れた1億円を持ってる”って。
知ってる?アキラのお母さんって15歳であの人を産んだんですよ。
でも小学生の時に死んじゃったみたいで、
アキラは祖父母と暮らしてた。
それでその噂が流れて・・興味本位で近づいた。
今思えばそんな嘘みたいな話信じる方がバカだけど、私もまだ子供だったから。」