正義が悪に負ける時


「・・・・毒が入っていたのは、
このお茶だったんですね・・・・。」


「・・・・さっきから・・何を仰ってるんですか・・?」


「“独自にブレンドした”、
良い言葉ですね。

これなら緑茶に必要以上の苦みやエグみがあっても、“そういう物なんだ”と相手に思わせる事が出来る。

これならターゲットだけに毒を摂取させる事が出来る。


女将さん、あなたは食後の2人にお茶を注ぎに来た時、

“新茶葉”だなんだと適当に理由を付けて、予め用意しておいた毒入りのお茶を飲ませた。

あとは何食わぬ顔でそれを捨てておけば、他のお客さんに被害が及ぶことは無い。

2人が店を出た後、さっさと洗剤で洗っておけば証拠隠滅できる。」



「・・・・・・・せっかく・・・真田さんのような良いお客様と出会えたと思ったのに・・どうしてそんなことを・・・?」


「あなたを逮捕します。」


「さっきから勝手な事ばかり仰って、
さすがに気分が悪いですよ!

どうして私が大切なお客様に毒を盛ったなんて考えるんですか!?」

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