だいすきなあなた
「大学行かないの?」
そう花ちゃんに聞けば、
「下がねー…まだ小さいし、そんな余裕うちにはないよ。学費は奨学金借りたら借金になっちゃうしね」
なんだかまともな答えが帰ってきた。
「そっか」
人の家庭の事情はそれぞれだもんね。
「ヤスは家継ぐだろー?」
急に安浦に投げかけた大吾。
「当たり前だろ」
あたかも当然だろ?的な顔をする安浦。
「まあ大学は行くけどな。」
「「「え?」」」
嘘!
三人の声が見事に揃った。
あの安浦が大学に!?
「何で?」
そう聞けば、
「今のご時世、経済の事も回さなきゃならねーの」
先のことを見据えての返答。