だいすきなあなた
なんだかんだ、喋り続けること数時間。
時刻は夕方の6時を針が指す。
「三人とも今日はありがとう。遠いのにわざわざごめんね?」
玄関先で三人のお見送り。
「また来るね!」
「こんどキッズ用の野球セット買ってくる!」
まだもう少し先のことを楽しそうに語る大吾はとても可愛かった。
「あ、これ!」
帰り際、安浦から渡された茶色い紙袋。
中身を覗くと、
「可愛い服!」
子供服が何着か入っていた。
「性別わかんなくて、男でも女でも両方着れそうなやつ選んでみた。」
「ありがとう!大事にする!」
紙袋を胸元でギュッと抱きしめると、安浦は嬉しそうに目を細めた。
「でも本当に産まれるまで性別聞かないの?」
「うん。その方が楽しみ多いじゃん」
性別が聞きたいとブーたれる花ちゃん。
「二カ月後にご対面できるんだから、それまでは待っててよ」
楽しみを残しておきたい私。
しょうがないなー、と笑顔で帰っていった三人を見送り、私は夕飯の支度に取り掛かった。