だいすきなあなた
「夏帆ー来たよー」そう言って家の中にグイグイと入って来る元気いっぱいの女の子。
「お邪魔しますくらい言え!」
そう言って家に入ってきたけど、自分は言わない。片手に私が好きなケーキの箱を持っている男。
「花ちゃんも大吾も強引過ぎない?」
今家に入ったかと思えば、リビングで勝手に紅茶やお皿にケーキを取り分け始めた。
いや、自由すぎるでしょ。
ここ、一応私の家なんだけど…
なんて言えるはずもなく、リビングの私は椅子に座った。
「ふぅー」
椅子に座ったり、立ったりするのも一苦労。
世の中の妊婦さんやお母さんには頭が下がりっぱなしですわ。