だいすきなあなた
太陽が燦々と照っている昼間のバス停。
私は地元へ帰るべく、バスを待っていた。
ここから片道バスや電車を乗り継ぎ2時間はかかるであろう私の地元へと足を向ける。
本当は妊婦の遠出は禁止されているにも関わらず、行動を抑えることは出来なかった。
「あなた妊婦さんなの?」
バス停でバスを待っていると、同じくバスを待っていた優しそうなおばあさんが話しかけてきた。
「大変ね、今日は熱くなるわよー」
体に気をつけないと、私を労わるおばあさん。
本当におばあさんの言った通り、今日は中々暑い。
「あら、バス来たみたいよ」
時間ちょうどに来たバスに乗り込むと、平日の昼間とあってか、もしくは田舎だからか、全然人は乗っていなかった。