だいすきなあなた
目の前には可愛らしいぱっちりお目目の鈴音が立っていた。
「鈴音!」
すぐさま鈴音に駆け寄ると、
「かほちゃん?」
私の名前を呼ぶ。
「そうだよ、夏帆だよ。鈴音…会いたかった…」
ぎゅっと鈴音を腕の中へ納めると、小さな手で抱きついてきた。
「かほちゃん!かほちゃん!」
「鈴音、鈴音…」
それに答えるかのように、鈴音も私もお互いの名前を呼んだ。
しばらくして、「どちら様ですか?」と言う女の人の声で我に返ると怪しげな目で見られる。
「…え、と」
言葉に詰まっていると鈴音が、
「せんせい!かほちゃんだよ?すずのおねえちゃんなの!」
元気よく、先生と呼ばれた女の人に笑顔を向ける。
「あら?そうなの…?」
心底信じられません、って顔の先生。