だいすきなあなた
応接室に通された私は先生と呼ばれた女の人と向かい合って座る。
「申し遅れました、私ここの経営者の北口と申します。」
名刺を差し出され、
「あ、私鈴音の叔母の広瀬夏帆と申します」
軽く頭を下げた。
「失礼なんだけど、今日はどのようなご用件で?」
急な質問に、私は…
「用件…ですか?」
「鈴音ちゃんを引き取りにきたんですか?それともただ様子を見に?」
あぁ、なるほど。
そういうことか。
「引き取りにきました」
そう断言すると先生は心底驚いたような顔を浮かべる。