だいすきなあなた
「大吾…安浦のケーキ…」
「ここにチョコあるだ!?これでなんとか…」
「なるか!」
急にバタバタとし始めた二人を他所に、再び来客を知らせるベルが鳴る。
「ちょ、夏帆出て!ここはアタシらでなんとかするから!!」
「夏帆、俺ら上手く誤魔化すから!!」
冷蔵庫を漁り始める始末。
二人を放って玄関の扉を開けると、そこにはやっぱり何も変わってない姿。
「おう」
片手を上げ、茶色い紙袋をぶら下げて玄関の前に立っている安浦の姿。
「いらっしゃい」
安浦を家の中へ入れると、あの二人が待っているリビングへと足を運んだ。