だいすきなあなた

「大吾…安浦のケーキ…」

「ここにチョコあるだ!?これでなんとか…」

「なるか!」

急にバタバタとし始めた二人を他所に、再び来客を知らせるベルが鳴る。

「ちょ、夏帆出て!ここはアタシらでなんとかするから!!」

「夏帆、俺ら上手く誤魔化すから!!」

冷蔵庫を漁り始める始末。

二人を放って玄関の扉を開けると、そこにはやっぱり何も変わってない姿。

「おう」

片手を上げ、茶色い紙袋をぶら下げて玄関の前に立っている安浦の姿。

「いらっしゃい」

安浦を家の中へ入れると、あの二人が待っているリビングへと足を運んだ。

< 7 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop