この溺愛にはワケがある!?
黒田家とその権力
藤堂は持っていたカバンからいくつか書類を取り出すと、美織の前にササッと広げた。
専門用語が沢山並んだ書類に何かのパンフレット。
美織は何事かと藤堂を見た。
「貴女はこれから病院へ行き、診断書をもらってください」
「は??え?そんなに大したことは……」
「大したことがなくても病院で診断書をもらってください。予約はとってあるので……あ、この病院でお願いします」
と、藤堂は病院のパンフレットを美織に渡した。
村上総合病院、そこは古くからある大きな病院で、最近改修工事をおこなってとても美しく生まれ変わった。
医師の数も多く、診療科も市内最大だ。
「この病院は……黒田家と繋がりが?」
まさかと思い聞くと、やはりそうだった。
「ええ。もちろん。社長の奥さん、小夏さんの実家でね。彼女の兄が院長をしています。なのでいろいろ助けてくれるのですよ」
藤堂は一瞬だがとても悪い顔をした。
それが、聞いてはいけない種類のものだと美織は悟り口を閉じた。
「あとは私に諸々任せて下さい。先程の傷害と恐喝の件で、あの女はもう二度と貴女の前に現れることはないのでね、どうぞご安心下さい」
『もう二度と』の所に少し含みがあったが、それには触れない。
美織にしても、大谷静に会うのはもうごめんだったからだ。
「え、と……私は何もしなくていいと?」
「そうですね、ああ、場合によっては警察に聞かれることもあるかもしれませんが、その時は私が必ず同行します。貴女が口を開くことは一切ありません」
「はい……お手数をお掛け致します」
丁寧に頭を下げた美織に、藤堂は目を細めた。
「いいんですよ。それよりも、私は貴女に謝らなければ……」
専門用語が沢山並んだ書類に何かのパンフレット。
美織は何事かと藤堂を見た。
「貴女はこれから病院へ行き、診断書をもらってください」
「は??え?そんなに大したことは……」
「大したことがなくても病院で診断書をもらってください。予約はとってあるので……あ、この病院でお願いします」
と、藤堂は病院のパンフレットを美織に渡した。
村上総合病院、そこは古くからある大きな病院で、最近改修工事をおこなってとても美しく生まれ変わった。
医師の数も多く、診療科も市内最大だ。
「この病院は……黒田家と繋がりが?」
まさかと思い聞くと、やはりそうだった。
「ええ。もちろん。社長の奥さん、小夏さんの実家でね。彼女の兄が院長をしています。なのでいろいろ助けてくれるのですよ」
藤堂は一瞬だがとても悪い顔をした。
それが、聞いてはいけない種類のものだと美織は悟り口を閉じた。
「あとは私に諸々任せて下さい。先程の傷害と恐喝の件で、あの女はもう二度と貴女の前に現れることはないのでね、どうぞご安心下さい」
『もう二度と』の所に少し含みがあったが、それには触れない。
美織にしても、大谷静に会うのはもうごめんだったからだ。
「え、と……私は何もしなくていいと?」
「そうですね、ああ、場合によっては警察に聞かれることもあるかもしれませんが、その時は私が必ず同行します。貴女が口を開くことは一切ありません」
「はい……お手数をお掛け致します」
丁寧に頭を下げた美織に、藤堂は目を細めた。
「いいんですよ。それよりも、私は貴女に謝らなければ……」