この溺愛にはワケがある!?
「何で?七重さんが?と思ったわ。そして、わたくし宛かもしれない、と宛名も確認しました……でも、間違いなく黒田行政と書いてありました……いけないとは思いつつ、わたくし、開けて読んでしまったの。そして、前々から二人が面識があったのだと知りました」
小夏は思い出すのが少し辛いのか、言葉が少しゆっくりになった。
「ただの知り合いではない、それは手紙の内容でわかったわ。行政さんには当時とても好きな方がいた……それも知っていたし。だから、ああ、七重さんが行政さんの恋人だったんだと……」
妙に納得して語る小夏に、美織は堪らず質問をした。
「今まで祖母の手紙を隠していたのは、やはり、二人の仲が許せなかったからでしょうか?」
小夏は目を丸くした。
そして、ああ、そうね、とニッコリと笑う。
「許せないと言えばそうでしょう。でも、二人の仲が許せないのではなくてよ。七重さんのことが許せなかったの」
(やっぱりそうなんだ……お婆様はおばあちゃんのことを許せなくて……)
沈んだ美織の表情を見て、小夏はふふっと笑った。
なぜ笑われたのかわからない美織はぽかんと口を開けて小夏を見る。
すると、小夏はさらに大きな声で笑い始めたのだ。
「あなた、七重さんそっくり!そのバカみたいにぽかんてするところなんてもう!」
「えっ?!え、えーっと……」
「違うのよ。わたくしが許せなかったのは……七重さんが当時、どうしてわたくしにそれを話してくれなかったのかってことよ!そして、死が迫っている時に頼るのがわたくしでなくて、なぜあの人なのか!!それが許せないの!」
小夏は一気に捲し立てた。
あまりにも早口で捲し立てられて、美織の頭は整理が追い付かない。
「七重さんはね、いつも孤立していたわたくしのたった一人の友達でしたのよ……医者の娘というだけで自分達とは違うと、皆話しかけてくれなかったわ。だけど、七重さんは違った。お隣の席になったわたくしに一番最初に笑いかけてくれたの……嬉しかったわ。わたくしね、彼女が誰よりも大事でした。信頼もしていたわ……何故、言って下さらなかったのか!わたくしを遠ざけたのか……それが、悲しくて……」
「そっ、それにはわけがあります!」
漸く頭が追い付いた美織が、小夏の話に割って入る。
聞き役はここまで。
祖母、七重の思いも伝えなくてはならない。
小夏は思い出すのが少し辛いのか、言葉が少しゆっくりになった。
「ただの知り合いではない、それは手紙の内容でわかったわ。行政さんには当時とても好きな方がいた……それも知っていたし。だから、ああ、七重さんが行政さんの恋人だったんだと……」
妙に納得して語る小夏に、美織は堪らず質問をした。
「今まで祖母の手紙を隠していたのは、やはり、二人の仲が許せなかったからでしょうか?」
小夏は目を丸くした。
そして、ああ、そうね、とニッコリと笑う。
「許せないと言えばそうでしょう。でも、二人の仲が許せないのではなくてよ。七重さんのことが許せなかったの」
(やっぱりそうなんだ……お婆様はおばあちゃんのことを許せなくて……)
沈んだ美織の表情を見て、小夏はふふっと笑った。
なぜ笑われたのかわからない美織はぽかんと口を開けて小夏を見る。
すると、小夏はさらに大きな声で笑い始めたのだ。
「あなた、七重さんそっくり!そのバカみたいにぽかんてするところなんてもう!」
「えっ?!え、えーっと……」
「違うのよ。わたくしが許せなかったのは……七重さんが当時、どうしてわたくしにそれを話してくれなかったのかってことよ!そして、死が迫っている時に頼るのがわたくしでなくて、なぜあの人なのか!!それが許せないの!」
小夏は一気に捲し立てた。
あまりにも早口で捲し立てられて、美織の頭は整理が追い付かない。
「七重さんはね、いつも孤立していたわたくしのたった一人の友達でしたのよ……医者の娘というだけで自分達とは違うと、皆話しかけてくれなかったわ。だけど、七重さんは違った。お隣の席になったわたくしに一番最初に笑いかけてくれたの……嬉しかったわ。わたくしね、彼女が誰よりも大事でした。信頼もしていたわ……何故、言って下さらなかったのか!わたくしを遠ざけたのか……それが、悲しくて……」
「そっ、それにはわけがあります!」
漸く頭が追い付いた美織が、小夏の話に割って入る。
聞き役はここまで。
祖母、七重の思いも伝えなくてはならない。