この溺愛にはワケがある!?
芳子は手元にあったノンカフェインのお茶を一口啜るとニッコリと笑った。
芳子には確か四才の娘がいたはずで、美織や寧々も遊んだことがある。
しっかり者の女の子という感じで、弟か妹の面倒も率先して見そうだ。
「おめでとうございます!」
美織と寧々は声を揃えて言う。
「わぁ、めでたいこと続きですねぇ!この勢いで私も(お嫁に)行けちゃいますかね?」
「行けちゃう行けちゃう!」
今度は芳子と美織が声を揃えた。
「じゃあ、アツアツラブラブデレテレの結婚式を有馬さんに見せつけて煽って勢いでーー!あ、美織さん、呼んでくれますよね?結婚式!」
「う、うんもちろん。あ、福島さん、来れます?体調とかどうなんですかね?」
「大丈夫よ、六月ならえーと、七か月くらいだからちょうど安定期でいいと思うわ」
「そうですか!よかった」
満面の笑みの美織に、同じくらい笑みを湛えた芳子が切り返した。
「ふふふ、黒田家の結婚式に行かないなんて選択肢はないわ!御大のお姿を拝めるんですものっ!こんなチャンスないものね。例え臨月でも行くわよ!」
「あはは………喜んで貰えて良かったですー」
(何だか二人とも思惑があって生き生きしてるわ……動機が不純だけどね……)
寧々も芳子も来るべき結婚式に備えて意気込んでいる。
そんな二人の姿を見て、美織は一つ心に決めたことがあった。
移動願いを出すかどうか。
美織はそれをずっと決めかねていた。
だが今、芳子のおめでたを知り、あと一年はこの住民課に残ろうと決めたのだ。
芳子が産休に入る間それをカバーしなくてはならない。
新人さんよりもベテランが残る方が効率がいいに決まっている。
それに……。
美織はここが好きだ。
前田課長も亮二も寧々も芳子も。
この住民課が大好きだ。
だから、あと一年くらいはぬるま湯のような暖かい中にいてもいいんじゃないか?
そう思っていた。
芳子には確か四才の娘がいたはずで、美織や寧々も遊んだことがある。
しっかり者の女の子という感じで、弟か妹の面倒も率先して見そうだ。
「おめでとうございます!」
美織と寧々は声を揃えて言う。
「わぁ、めでたいこと続きですねぇ!この勢いで私も(お嫁に)行けちゃいますかね?」
「行けちゃう行けちゃう!」
今度は芳子と美織が声を揃えた。
「じゃあ、アツアツラブラブデレテレの結婚式を有馬さんに見せつけて煽って勢いでーー!あ、美織さん、呼んでくれますよね?結婚式!」
「う、うんもちろん。あ、福島さん、来れます?体調とかどうなんですかね?」
「大丈夫よ、六月ならえーと、七か月くらいだからちょうど安定期でいいと思うわ」
「そうですか!よかった」
満面の笑みの美織に、同じくらい笑みを湛えた芳子が切り返した。
「ふふふ、黒田家の結婚式に行かないなんて選択肢はないわ!御大のお姿を拝めるんですものっ!こんなチャンスないものね。例え臨月でも行くわよ!」
「あはは………喜んで貰えて良かったですー」
(何だか二人とも思惑があって生き生きしてるわ……動機が不純だけどね……)
寧々も芳子も来るべき結婚式に備えて意気込んでいる。
そんな二人の姿を見て、美織は一つ心に決めたことがあった。
移動願いを出すかどうか。
美織はそれをずっと決めかねていた。
だが今、芳子のおめでたを知り、あと一年はこの住民課に残ろうと決めたのだ。
芳子が産休に入る間それをカバーしなくてはならない。
新人さんよりもベテランが残る方が効率がいいに決まっている。
それに……。
美織はここが好きだ。
前田課長も亮二も寧々も芳子も。
この住民課が大好きだ。
だから、あと一年くらいはぬるま湯のような暖かい中にいてもいいんじゃないか?
そう思っていた。