この溺愛にはワケがある!?
「は………え、社長……夫人??」
奇妙な言葉が飛び出して、余裕綽々の美織は一気に余裕が無くなった。
「社長夫人」それは、当たり前だが社長の妻である。
黒田造船の社長は行政で、その奥さんが今社長夫人のはずだが。
それよりも、成政の社長夫人になりたくはないか?という問いかけがやけに気になった。
それはまるで、自分と結婚すれば社長夫人になれると言っているように聞こえたから。
「社長夫人には興味はありませんが……何でそんなことを?」
美織の問いかけに、成政が答えようとしたその時、正面玄関から矢のように飛び込んできた黒い物があった。
それを目の端に捉えたと思った瞬間、成政の体がふわりと宙に浮く。
「成政!!何してるんだ!?」
黒い物。
正しくは黒いスーツの隆政が、美織の目の前で成政を締め上げている。
隣の寧々や芳子、亮二や前田課長もそのただならぬ様子に成り行きを見つめている。
もちろん、市民の皆様も……。
「たっ、隆政さん……ここで乱暴は困ります!」
(いや、他のところでもだけど……)
宥めようと声をかけた美織に隆政が言う。
「わかってる!だか、こいつに言っておきたいことがあってな!すぐ帰る。騒がせてすまなかった!!おい、一緒に来いっ」
「相変わらず乱暴だな……まぁ、いい。これ以上は美織さんが困るからね」
胸ぐらを掴まれたまま、成政は美織に微笑んだ。
「ご託はいい!行くぞ!!」
「はいはい。じゃあ美織さん、さっきの件考えておいて?」
「は?………い、いや……それは」
と、美織がモゴモゴ言っているうちに、二人は既に正面玄関を抜けていた。
奇妙な言葉が飛び出して、余裕綽々の美織は一気に余裕が無くなった。
「社長夫人」それは、当たり前だが社長の妻である。
黒田造船の社長は行政で、その奥さんが今社長夫人のはずだが。
それよりも、成政の社長夫人になりたくはないか?という問いかけがやけに気になった。
それはまるで、自分と結婚すれば社長夫人になれると言っているように聞こえたから。
「社長夫人には興味はありませんが……何でそんなことを?」
美織の問いかけに、成政が答えようとしたその時、正面玄関から矢のように飛び込んできた黒い物があった。
それを目の端に捉えたと思った瞬間、成政の体がふわりと宙に浮く。
「成政!!何してるんだ!?」
黒い物。
正しくは黒いスーツの隆政が、美織の目の前で成政を締め上げている。
隣の寧々や芳子、亮二や前田課長もそのただならぬ様子に成り行きを見つめている。
もちろん、市民の皆様も……。
「たっ、隆政さん……ここで乱暴は困ります!」
(いや、他のところでもだけど……)
宥めようと声をかけた美織に隆政が言う。
「わかってる!だか、こいつに言っておきたいことがあってな!すぐ帰る。騒がせてすまなかった!!おい、一緒に来いっ」
「相変わらず乱暴だな……まぁ、いい。これ以上は美織さんが困るからね」
胸ぐらを掴まれたまま、成政は美織に微笑んだ。
「ご託はいい!行くぞ!!」
「はいはい。じゃあ美織さん、さっきの件考えておいて?」
「は?………い、いや……それは」
と、美織がモゴモゴ言っているうちに、二人は既に正面玄関を抜けていた。