この溺愛にはワケがある!?
「ああ、全く無いな。だがまぁ、助かってたんだよ。俺ん家はほら、こんな商売してただろ?店の手伝いで忙しくてよく宿題を忘れたしな。それが続いて親を呼ぶって担任が言い出したの、覚えてるか?」
「そんなこともあったな……」
「そう、それから朝学校に行ったら、何故か俺の机の上にお前の宿題ノートが置いてあるんだよ。最初は置き間違えたのかと思ったんだ。何も言わねーからわかんねぇし」
洋二は懐かしむように頬杖をつき、ウーロン茶を飲む隆政を見た。
美織も隆政の様子を伺う。
すると、顔は冷静を装っているが耳が真っ赤になっていた。
明らかに……照れている!
「結局梨沙がせっかく置いてあるんだから写せって言ってさ……それで、宿題を忘れなくなったら、担任の小言も、親を呼ばれることもなくなったんだ」
「隆政さんって、実は優しいんですね」
と美織は隆政に笑いかけた。
耳だけ赤い彼をもっとからかってやろうと思ってのことだったのだが、結果は想像以上になった。
目の前の隆政の顔が、アルコールを飲んでもないのにみるみる真っ赤になったのだ。
(タコ!?タコみたいになってる!こんなに赤くなる人初めて見たわ!)
美織は大満足して生中をゴクリと流し込んだ。
「わかりやすいな、おい。ベタ惚れか?そういや梨沙が言ってたが、まだ付き合ってないんだよな?美織ちゃんは実際どう?隆政のこと、少しはいいと思ってる?」
(そんな、ストレートに聞かないでくださいます?うーん、いいと思ってるか?……悪い人ではないんじゃないかと、思い始めているんだよね)
「最初は大嫌いでした」
隆政は頭を抱えて俯き、洋二は身を乗り出した。
「おっ!言うねぇ、で今は?」
「思ったよりもいい人なんじゃないかと……思います」
隆政はバッと顔を上げ美織を見た。
「そう!いい人か。それでも少し進歩だな。マイナスからだもんな。これは少しずつプラスにして行くしかないなぁ?」
「わかってるよ。そのつもりで頑張っている」
決意表明のような隆政の言葉に、洋二はニッコリ笑ってウンウンと頷いた。
だが次の瞬間、遅いっ!と座敷に殴り込んで来た梨沙に、引きずられるようにその場を後にするのだった。
「そんなこともあったな……」
「そう、それから朝学校に行ったら、何故か俺の机の上にお前の宿題ノートが置いてあるんだよ。最初は置き間違えたのかと思ったんだ。何も言わねーからわかんねぇし」
洋二は懐かしむように頬杖をつき、ウーロン茶を飲む隆政を見た。
美織も隆政の様子を伺う。
すると、顔は冷静を装っているが耳が真っ赤になっていた。
明らかに……照れている!
「結局梨沙がせっかく置いてあるんだから写せって言ってさ……それで、宿題を忘れなくなったら、担任の小言も、親を呼ばれることもなくなったんだ」
「隆政さんって、実は優しいんですね」
と美織は隆政に笑いかけた。
耳だけ赤い彼をもっとからかってやろうと思ってのことだったのだが、結果は想像以上になった。
目の前の隆政の顔が、アルコールを飲んでもないのにみるみる真っ赤になったのだ。
(タコ!?タコみたいになってる!こんなに赤くなる人初めて見たわ!)
美織は大満足して生中をゴクリと流し込んだ。
「わかりやすいな、おい。ベタ惚れか?そういや梨沙が言ってたが、まだ付き合ってないんだよな?美織ちゃんは実際どう?隆政のこと、少しはいいと思ってる?」
(そんな、ストレートに聞かないでくださいます?うーん、いいと思ってるか?……悪い人ではないんじゃないかと、思い始めているんだよね)
「最初は大嫌いでした」
隆政は頭を抱えて俯き、洋二は身を乗り出した。
「おっ!言うねぇ、で今は?」
「思ったよりもいい人なんじゃないかと……思います」
隆政はバッと顔を上げ美織を見た。
「そう!いい人か。それでも少し進歩だな。マイナスからだもんな。これは少しずつプラスにして行くしかないなぁ?」
「わかってるよ。そのつもりで頑張っている」
決意表明のような隆政の言葉に、洋二はニッコリ笑ってウンウンと頷いた。
だが次の瞬間、遅いっ!と座敷に殴り込んで来た梨沙に、引きずられるようにその場を後にするのだった。