この溺愛にはワケがある!?
プロポーズ返し
「……全部、って言いたいけどそれは卑怯だな。本当のことだけど……」
隆政は箸を置いた。
「第一印象、地味だなと思ったよ」
「うっ、やっぱりね」
予想通りの答えに美織は苦笑いをした。
「ははっ、うん。でもな、それが逆に凄く印象的で……目が離せなくなった。みおが、爺さんの方ばっかり見てるからイライラしてとんでもないこと言ったりしてな」
「ん?あのとんでも発言はイライラしてたから?」
「ああ。本当は全然違うことを考えてた」
「ふぅーん、私とんだポンコツに出会ったんだと思った。やっぱり見合いになんか来なきゃ良かったって……」
「その節は、大変失礼なことを……ごめん!」
そう言ってパンッと目の前で両手を合わせ軽く頭を下げた。
「もう別にいいです。で、本題に戻ろ?」
美織は先を促す。
「どこがいいか……それをはっきりとは言えないけど、きっとこの人じゃないと生きていけないと思ったんだ」
「………………」
押し黙った美織を見つめながら、隆政は続ける。
「みおと会わずにいても、生きて行けただろうとは思う。ただ、それは本当の意味での人生ではないのかなって……出会った今はそう思うんだよ」
「……そこまで思われる人間ではないと思うんだけど」
「それはみおの思うことであって、俺の想いとは違う。俺だってそう思ってるんだ……俺はみおに相応しいのか。本当に俺といてみおが幸せになれるのか。考えて考えて……でも答えは出ない。ただ、相応しくなくても誰にも渡す気はないし、幸せにする自信はある!」
相応しいか相応しくないか。
それを問われれば、美織は隆政と不釣り合いな自分を相応しくないと思う。
何でも恐ろしいくらいに揃っている隆政でさえそんな風に考えるのなら。
こと恋愛においては、全ての人が平等に悩み苦しみ考えるのだ。
「答えは出ないわ。一緒にいてもずっと出ないかもしれない。私も隆政さんには相応しくないって思うし……」
「なっ!?そんなことは……」
身を乗り出した隆政を、美織は両手で制する。
「まぁ、待って。最後まで聞いて……同じように考えてわからないなら、わかるようになるまで一緒にいよう。結局死ぬまでわからなくても、その頃には何かわかりやすく形になっているはず……」
美織は自分の言っていることに少し混乱した。
自分で言っててこれなんだから、聞いている隆政はもっと混乱するだろう。
そう思って彼を覗き見ると何故か腑に落ちたような顔をしていて、暫くしてからなるほどと言葉を続けた。
隆政は箸を置いた。
「第一印象、地味だなと思ったよ」
「うっ、やっぱりね」
予想通りの答えに美織は苦笑いをした。
「ははっ、うん。でもな、それが逆に凄く印象的で……目が離せなくなった。みおが、爺さんの方ばっかり見てるからイライラしてとんでもないこと言ったりしてな」
「ん?あのとんでも発言はイライラしてたから?」
「ああ。本当は全然違うことを考えてた」
「ふぅーん、私とんだポンコツに出会ったんだと思った。やっぱり見合いになんか来なきゃ良かったって……」
「その節は、大変失礼なことを……ごめん!」
そう言ってパンッと目の前で両手を合わせ軽く頭を下げた。
「もう別にいいです。で、本題に戻ろ?」
美織は先を促す。
「どこがいいか……それをはっきりとは言えないけど、きっとこの人じゃないと生きていけないと思ったんだ」
「………………」
押し黙った美織を見つめながら、隆政は続ける。
「みおと会わずにいても、生きて行けただろうとは思う。ただ、それは本当の意味での人生ではないのかなって……出会った今はそう思うんだよ」
「……そこまで思われる人間ではないと思うんだけど」
「それはみおの思うことであって、俺の想いとは違う。俺だってそう思ってるんだ……俺はみおに相応しいのか。本当に俺といてみおが幸せになれるのか。考えて考えて……でも答えは出ない。ただ、相応しくなくても誰にも渡す気はないし、幸せにする自信はある!」
相応しいか相応しくないか。
それを問われれば、美織は隆政と不釣り合いな自分を相応しくないと思う。
何でも恐ろしいくらいに揃っている隆政でさえそんな風に考えるのなら。
こと恋愛においては、全ての人が平等に悩み苦しみ考えるのだ。
「答えは出ないわ。一緒にいてもずっと出ないかもしれない。私も隆政さんには相応しくないって思うし……」
「なっ!?そんなことは……」
身を乗り出した隆政を、美織は両手で制する。
「まぁ、待って。最後まで聞いて……同じように考えてわからないなら、わかるようになるまで一緒にいよう。結局死ぬまでわからなくても、その頃には何かわかりやすく形になっているはず……」
美織は自分の言っていることに少し混乱した。
自分で言っててこれなんだから、聞いている隆政はもっと混乱するだろう。
そう思って彼を覗き見ると何故か腑に落ちたような顔をしていて、暫くしてからなるほどと言葉を続けた。