君が隣にいるだけでいい。
鼻がツンと痛くなる。
ヤバい....店にいるのに泣きそう。

私は彼の手をそっと下ろし、そのままビールを喉に流し込む。

もう 尋常ではないくらいに。

「美佐、これからイカが来るけど....」

「イカ?頼んだっけ?」

「お前が頼んだんじゃん。さては、もうできあがってる?」

「そんなことないし。1ミリも酔ってません」

そう言いながら、枝豆に手を伸ばす。

「....柊翔.....ありがとう」

なぜこの時にこの言葉が出たのか、自分でも不思議だった。
でも、お礼せずにはいられない。

「なんだよ。突然.....」

照れくさそうに頭をかく姿が可愛いと思った。

「いや、本当に感謝してる。柊翔は、女友達よりも居心地がいいというか.....なんか、私のことちゃんと見てくれるし。今までの中で、1番いい友人だと思う」

思ったことを口に出しただけなのだが、彼の顔は少し暗くなった。

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