君が隣にいるだけでいい。
バレてる。
私が笠原くんを思ってしまっていることを。

彼は私を見ながらゆっくり動いた。

「.....っ!」

「ごめん、痛い?」

「いや、大丈夫....」

快感だったとは口が裂けても言えない。

言ってはいけない。
だって、私達は恋人ではないんだから。

「なら、いいんだけど....」

ホッとした彼の顔が、暗闇の中でうっすら見える。
何でこの人は、最低すぎる私に優しくするのだろうか。

やめて欲しい。

優しすぎて泣けてくる。

「美佐....大丈夫?ホントに.....?」

私は知らずのうちに、涙がこぼれていた。

「ごめん.....そうじゃないの....なんでもないの....ただ.....私は...」

やっぱり笠原くんが好きなんだ。

「美佐.....もう、終わりにしよっか」

彼は私から離れると、服を着だす。
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