君が隣にいるだけでいい。
『ちょっと待って....続けて...』なんて言える立場じゃないのに、彼が離れたことが少し寂しかった。

「もう、寝よ。おやすみ」

彼は、私から目を合わせずに布団の中に潜り込む。

「おやすみ」

自分がどれだけ間違いを犯してしまったのか、今なら分かる。

1人じゃないのだ。

傷が付いたのは、私だけじゃない。

彼も....柊翔も同じ。

戻れない....。
ただの友達には、もうなれない。

それが一番悲しいことだった。

また溢れる涙を、手で拭いながら瞳を閉じる。

ただただ、どうか柊翔と普通に話せるようにと、願うばかりだった。
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