君が隣にいるだけでいい。
「なんで.....」

私....一言も『笠原くん』なんて言ってない...。

「前、会ったことあるだろ?美佐の友達と、その笠原さんと」

「ああ...たまたま飲み会やってるときに、柊翔がいて....」

そういえば、と頷く。

ということは、彼はそのときから私の気持ちに気付いていたのだろうか。

「そのときに、分かっちゃったんだよ。美佐が笠原さんのことが好きだって」

「.....すごいね。人を見る目は..」

本当にエスパーみたいに分かってしまう。女子よりも遥かに人の心を読む。

「美佐だからだよ」

「えっ....」

「美佐は俺ともう一度友達に戻りたいって思ってるんだろうけど、俺は違うから」

そのまま....次の言葉を待つ。

静かな空気が流れる。

「俺は美佐のことが、大学のときから好きだ」
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