君が隣にいるだけでいい。
「ごめ....忘れ物し..た....」

急に玄関のドアを開けた彼とバッチリ目が合う。

「わ、忘れ物?」

「ああ、DVDがプレーヤーに入れっぱなしで....。今日中に返さないといけないのに....」

「まだ入ってると思う....けど」

柊翔の視線を感じる。
視線の方へ目を向けると、彼の動きがピタリと止まった。

「どうした?やっぱり....俺と寝たこと後悔してるの?」

「....後悔はしてない。けど、まだ....」

彼の手が私の頬に添えられる。
目元に溜まった涙は、彼の手によって拭われた。

「俺の事....眼中に無い?」

「......うん。中途半端な気持ちで柊翔と付き合えないよ」

「そっか.....」

彼の目は下に下がった。
昨日の勢いが無くなったような感じがする。

ようやく諦めてくれた、と思った。

でも、それは違った。

「....んっ!?」

彼は情熱的なキスをしてきた。

次第にエスカレートし、舌が入り込む。
< 33 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop