君が隣にいるだけでいい。
体が痺れ、思うように動かせない。

「は....ん....」

彼のキスも強くなっていく。

もうこれ以上は無理.....。
私はできる限りの力で、彼の体を突き飛ばした。

「....柊翔のバカ!!もう帰ってよ!」

息が上がって、呼吸が荒くなっている。

「ごめん ...」

彼は申し訳なさそうに謝ってくる。

私は何を考えていたのだろう。

柊翔は友達である前に、1人の男であるのに。
勝手に男女の友情は長く続くと思ってたんだ。

「お願い.....もう...1人にして....」

1人になりたい。

もう、人に流されるのは嫌だ。

「分かった。勝手に...いろいろしてごめん。でも、忘れて欲しくないから。俺が美佐のことが好きだってことは、ちゃんと頭に入れといて」

彼は急ぐように帰って行った。

その背中が、やけに寂しそうに見えて、少し胸が苦しくなった。
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