君が隣にいるだけでいい。
この一日はとても長く感じる。

彼が帰ってから、気を張っていた余計な力は抜けて、脱力状態になった。

怠けた...と言った方がいいのかもしれない。
何かをやる気力が無くて、ただダラダラした時間が流れる。

「....テレビもつまんないし」

午前中はニュースの延長で、ドラマやバラエティー番組など見られない。

録画したものを見ようと思っても、あらかた見てしまっていて、見たいものがない。

ゲームもやろうとは思わない。

家事がまだ終わっていないことに気付き、重い体をなんとかして動かすと、掃除や洗濯物等に取り掛かる。

ざっと部屋の片付けをし始めたとき、見慣れないハンカチがテーブルの上にあった。

「これ.....柊翔の?」

間違いない。

映画を見たとき、ラストに感動し、2人して号泣してしまった。

おそらくそのときに使って、そのままだったのだろう。
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