君が隣にいるだけでいい。
その言葉に、一瞬息が止まる。

何でこの人は私のことが分かるのだろう....。

「何かって何?」

あまり触れたくなくて、聞き返してみるけど、やはり彼にはお見通しだったようだ。

「嘘。やなことがあったって顔してる」

「そ、そんなこと....」

「無かったら、やけくそになって酒飲まないでしょ?」

「うっ.....」

ドンピシャ。

思わず顔がひきつる。

「言ってみなよ。昨日一緒にいた友達にも言えないことだったんだろ?」

「な、何でそれを?」

逆に怖くなってくる。

「......分かるよ。それくらい」

彼は、何か少し言いたそうな表情をしたが、すぐに微笑んだ。

「ホント....柊翔には隠し事できないよ....」

ヤバい、目が潤んでくる。

彼はそんな私を察したのか、その体で私を包み込んだ。
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