君が隣にいるだけでいい。
「泣いていいよ。ずっと我慢してたんだろ?」

「うっ.....」

その一言で、私の涙腺は崩壊する。
次から次へと、涙が溢れて止まらない。

好きだった。笠原くんが、大好きだった。

彼が、本当に好きで心から想う相手と結ばれるなら、もっとよかった。

なのに、相手が彼を1ミリも恋愛感情を抱いていない人、ましてや親友と結婚するなんて。

彼女が憎いと一瞬でも思ってしまった自分が醜い。

マイナスの思考が一気に流れ、もう止められなかった。

「美佐......」

嗚咽が響くこの部屋で、柊翔はさらに力強く私を抱きしめる。

「私、私.......」

失恋しちゃった......。

その言葉を言う前に、彼は私を離す。

「いいよ。言わなくて。もう、分かってる」

彼は私以上に切ない顔をする。
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