だって幼馴染。
春の香り

遅刻

ピ・・ピピ・・・・ガチャンッ

うるせぇ...もう少し寝れる、眠い。。。

「ん~…」
目覚ましを止めた手で毛布を上に引っ張り、寝返りを打った。
あぁ、二度寝最高。
まだ少し肌寒い五月、パンツとTシャツだけで、毛布をガバッと被って眠るのが最高に気持ち良くてたまらない。

「いやガチャンじゃねぇよ、なに寝ようとしちゃってんの?早く起きろや!」

そして、二度寝しようとする俺を母さんが起こしに来るのもほぼ日課……ん!?

「へ…ちょ、何で涼香が俺の部屋に…?」

ガバッと強引に剥がされた毛布を取り返して、自分の体をまるで女の子のように隠しながら起き上がった。

寝起きでぼんやりとした視界は驚きと共にはっきりしたが、頭の方はすっかり混乱してしまっている。

「いつまで寝てんの。ほら、早くしないと遅刻するよ」

どうやら母の代わりに起こしに来たようで、涼香は部屋を出てリビングのある一階のほうへ降りていく。

「いや、え…なぜ……」

いつもは母さんが起こしに来るのに、何故涼香…。
てか変なこと言わなくてよかった…や、言ったかな。やばい、不安…。

「………。はぁ、準備するか」

混乱する頭を少し休ませて、学校に行く準備をした。
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