かわいい戦争




リタ風メイクをばっちりきめて。


茶髪もふんわり巻いて、チョーカーを付けて。


背中に白鳥を飾れば、わたしの戦闘スタイルは完成。



気合いは十分だ!!







「――というわけで、行ってきます!!」





月曜日の午前の授業を難なくこなし

やってきました昼休み!


1時間目の体育での器械体操でちょっとヘアスタイルが崩れてしまったけどきっちり直したから問題なし!



「え?何がどういうわけで、どこに行くの??」


「ご飯は?一緒に食べよーよー」



最近は同じ班の女の子同士でランチするのが日課になっていたけど、今日は断念させていただきます。




「ちょっと喧嘩を売られちゃって……」


「は!?喧嘩!?」


「どこのどいつよ。あたしたちのかわいい海鈴ちゃんに喧嘩を売った不届き者は!」


「女子の喧嘩はみみっちいからねぇ……」


「相手は隣のクラス?先輩?」


「海鈴ちゃんのかわいさ妬んでるだけだよ、きっと。100倍にして返してやんな」




あ、あれ?
あらぬ方向に誤解されてないか、これ。


心強い味方なのは変わりないけど、予想はことごとく外れてるんだよなぁ。



喧嘩相手があの天兒さんだって教えたら、どんな反応するかな。


たぶん信じてもらえないだろうな。




誤解を解く隙も与えてくれなくて、話は加速する一方。


とりあえず「が、頑張る!」とガッツポーズをしておいた。


< 129 / 356 >

この作品をシェア

pagetop